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映画 『銀の匙 Silver Spoon』~競争社会~

映画化されるタイミングくらいで、ちょうど漫画読み始めた作品。

そのまま映画に期待とかは正直なかったから見ていなかった。

ごめんね、健人くん。

 

 

今更見ました。以下ネタバレを含みます。

 

 

 

銀の匙はやっぱり八軒くんが魅力的なところがいいのだろう。

少女漫画の男の子みたいにリーダー性があることで周りに人が集まる、

という感じではない。

家族だったり、学歴社会から逃げて逃げて逃げて農業高校に入った男の子。

 

なのになぜか彼の周りには人が集まる。

不器用で固定観念に縛られてて、都合がいい時だけ命の大切さを考えてる。

北海道の大都会札幌からやってきた、家が農家で農家としての大変さを身に染みている同級生と相いれないのは簡単にわかる。

 

私自身の進学校中高一貫校出身だけれど、

成績が悪い、おちこぼれだったので母校の競争社会は息苦しさをずっと感じていた。

馬鹿はいなくていい、誰に言われたわけではないのに教室中を覆う空気。

授業についていけないくらいなら、学校を休みたくなる空気。

成績が悪いともう人生が終わるんだと本気で思っていた。

私は性格上、馬鹿ですと全面にアピールして笑われて、

それでも必死に勉強する。それができた。

でもそれができない、笑いにできない人たちは、実際高校進級をやめて、

別の高校に行ったり、進級したもののドロップアウトしていく人がいた。

 

もしかしたら八軒くんはうちの中学にいたかもしれないそんな気がした。

 

映画には登場しないけど、八軒くんの兄はてきとーな男だけど、さらっと東大に入り、さらっと中退している。

 

 

努力が報われないのってなんか嫌だな。

俺は成績だけじゃないって言いたいだけで。

努力が報われないしんどさがわかるのかよ。

競争社会を知らない奴はいいよな。

農家に生まれたってだけでロクに勉強もしないで高校入れて、

卒業したらそのまま実家に就職だろ?

成績悪くて切り捨てられる気持ちなんかわかんないよな。

気楽でうらやましいよ。

 

たくさん勉強っていう努力をしたのに報われなっかた中学時代。

進学校の中学生なんて大学進学するから、

将来の夢を考えてる人は少ないんじゃないかな。

だからこそ夢を聞かれて、ハキハキ答えるクラスメイトには引け目を感じる。

実家継ぐから就職には困らない。

ふるいにかけられて進学し、就職するコースにいた八軒くんには駒場くんの苦労を、都会の進学校なんて考えたこともなかったであろう駒場くんは八軒くんの苦労を理解するのは大変だよね。

八軒くんは努力を認めてもらいたくて、結果を出したくて、親に認めてもらいたい。

愛に飢えていてそこが健人くんに重なるのかなぁ。

 

 

でも不思議なもんだよな。

ロクな成績も残してねえのに最後まで愛される奴もいるんだ。

これって一体なんなんだろうね。

私の大好きなハチミツとクローバーでも同じようなセリフがある。

そのなにかを手に入れたいって願うよね。

愛されたら少しは自分のこと好きになれるかな。

 

QRzoneでの風磨くんの言葉。

自分のことなんてずっと嫌いっす。

だって自分のことが全部好きだったらなんもしてないんじゃないかな。

好きになるために人生を歩んでる。

最後に目を閉じる瞬間にみんなのこと自分のことを好きって言えたら、

俺の人生捨てたもんじゃなかったって。

みんなのことを好きっていうのが入ってる所に、

風磨くんらしさみたいなものを感じた。

 

あれ脱線してる。

 

キラキラから一番遠い田舎のさえない学生。

撮影当時大学生だった健人くん夏休みをまるまる使って撮影したんだよね。

ハードだっただろうな。テストやレポートに追われる学期末を乗り越えてすぐ撮影。

そしハードな撮影のあとはまた彼の日常に戻ったのかぁ。

 

そういえばうちの大学には馬術部があって1年生の時新歓巡りで行ったなぁ。

私は動物苦手だから終始おびえながら馬に乗ったし、映画の副部長的な感じで、猫が住んでたなぁ。あの雰囲気の中に彼がいたと思うと、キラキラを消すためのたくさんの指導が入って彼は努力したんだよね。

 

 

逃げたことに負い目はあっても逃げた先で出会ったものは悪いもんだったか?